150の法則

数人の企業の場合、形式的な経営理念がなくても、
一定の命令のもとに組織は円滑に運営されると考えられます。
ところが、規模が拡大すればするほど社員の行動を律する規範と
その源泉となる理念が必要となります。
では、その必要性を決定する数値はどこに設定されるのでしょうか。

これについて明確な解答はありませんが、
ひとつの考え方として「150」という数字があります。

人類学者ロビン・ダンバーは
「150という数字は、我々が本当の社会的関係、すなわちその人物が誰であり、自分とのつながりは何であるか知っているような関係をもつことができる、最大人数を示している」
そして、この規模において
「個人的な忠誠心や直接なマンツーマンの連絡に基づいて指示を実行したり無法行為を統制したりできる」
といいます。
ダンバーは、人類学的文献を調査した結果、
150人という集団規模が幾度も登場することを指摘し、
歴史的考証が明確な世界の21の狩猟・採集社会に関する
データを分析した結果、村落の平均人口は148,4人であったといいます。
ダンバーは、ヒトをはじめとする霊長類の大脳新皮質の大きさが、
ほかの哺乳類の標準を大きく上回る理由を探り、
新皮質の大きさと集団の規模の間に相関関係があることを発見しました。
ダンバーの説は、いわゆる「社会脳仮説」に基づきます。
これは、霊長類の脳が高度に発達したのは、集団生活における
複雑な社会関係を調整するためだ、という仮説です。
つまり、ダンバーは、複雑な社会関係を調整し、
円滑な社会生活を営むことができる人間の脳の許容範囲が
せいぜい150人程度であるというのです。

●キリスト教の1派 フッター派は、
集団が150人の規模に達すると集団を分割するという伝統をもつ
●アメリカのハイテク企業  ゴア・アソシエイツ
150人を一つの単位として考えている
『岩井洋 継承と伝播の経営人類学的研究 経営理念』より抜粋

 

150という数字をこえると、組織そのもののあり方を
考え直す必要があるようです。社員数が少ないから経営理念が必要ない、
というわけではありません。

より規範的な組織を作るための
体系化された経営理念を作る目安が、150人ということです。
マネジメントのあり方を見つめなおし、
考え直すタイミングといえるのかもしれません。

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